2013/05/29 (Wed) 17:13
「あと三匹……」
夕飯として上る予定の魚を魚籠に突っ込みながら、そう呟く。
今日の釣果は上々だ。何しろまだ雑魚も猫魚も釣り上げていない。
油の乗った大きな赤身魚が魚籠の中で一度大きく跳ねるのをニンマリと見下ろしながら、私は次の獲物を手に入れんが為、釣り針に新しいエサを引っ掛けた。
ヒュン、と風を切る音を立てて前に飛び、ポチャンと小さな落水音を立てて沈んでいく釣り針。それを確認した私は抜けるような真っ青な空へと視線を動かした。
こういう、日々の退屈な一瞬の時間には、よくあの日の事を思い出す。
私こと原田理緒は、地球こと『名も無き世界』から召喚術と呼ばれる不可思議な魔法によって呼び出された、いわゆる『召喚獣』だ。
『獣』と付くと何とも野蛮な印象を受けるけれど、人間だろうと動物だろうと、天使や悪魔、幽霊だろうとも、召喚術によってこの世界―――リィンバウムに呼ばれた魂ある存在は、皆そう呼ばれるらしい。
私はかれこれ二年か三年ほど前、『遺跡』と呼ばれている存在によって、この『名も無き島』に召喚された。
自分の家、温かい室内に居た筈の私は唐突に真っ白な光に包まれ、気がついたら真夜中の、それも風雨の吹きすさぶ屋外に放り出されていたのだ。
呆然とする暇すら無かった。
両親が事故で死んで天涯孤独の身になってしまった私は、今後の生活の為にも家賃の高いマンションを引っ越そうと、両親の遺骨やら自分の服やら中学校の教科書やらを纏めていた最中、自分を含めカーペットの上にあったモノ全部が全部ひっくるめてこっちに呼び出されたのだ。
私に出来たのは、混乱しつつも雨が染みていく荷物を大急ぎで一処にかき集めて自分ごとカーペットを雨よけに被せ、雨が止むまで丸まる事だけだった。
翌朝、身体を冷やした為に肺炎を起こして意識が飛びかけていた所を、嵐の被害状況を調べに島を回っていたという赤毛の女性―――アティさんに発見、保護された私はラトリクスという集落に運び込まれて治療を受け、どうにか一命を取り留めて。
そうして数日後、彼女に聞かれるままに自分の身に起こった状況を説明したところ、こう返された。
―――落雷のエネルギーで、一時的に遺跡の機能が復活したのでしょうね。
何でも私が居た所、島一番の高台にある遺跡はその昔とある召喚術師達の組織によって作られた『喚起の門』と呼ばれるもので、他の世界から無差別に色々なモノを召喚してしまう機能があるらしい。この島の住人の殆ども、それによって呼び出され元の世界に還れなくなった召喚獣やその子孫なのだそうだ。
何とも迷惑な代物だが、随分前にアティさんが島の皆と協力して壊した事で、ひとまずはその機能を停止したらしい。
―――が。
嵐の夜。大雨と落雷。
雷が高い所に落ちるのも、膨大なエネルギーの塊である事も地球では有名な話。
遺跡は島の高台にあり、そうして私は、落雷のエネルギーで一瞬だけ蘇ったソレによって、この島に召喚されたらしかった。
アティさんは望むなら私を元の場所に還す事も出来るだろうと言ってくれたけれど、両親を一度に亡くした私にはもう向こうに居場所なんて無くて。
………………いや、この際だからぶっちゃけよう。
居場所自体は無くも無かったのだけれども、遺骨を抱えた状態でココに来た私には、慣れ親しんだ現代社会の利便性や淡い恋心を含めた交友関係を天秤に掛けても、支払日の迫った両親のカードとか家賃とか電気水道の使用料とか、保険の手続きや今後の学費諸々の事とか、学生の身分ではイマイチよく分からないそれらに頭を悩ませる状況に、進んで戻りたいと思えなかったのだ。
何しろこの島では貨幣制度すら無い。昔、物好きなヒトが店を開いていた頃なら多少はあったらしいのだけれど、店主が居なくなった現在では、労働力を含めた物々交換で自給自足の生活をしている。
便利ながらも色々と窮屈なニッポンの生活と、不便ながらも開放感のある生活。
私は二つを天秤に掛けて後者を選び、そうして名も無き島の新しい住人となったのだった。
「おーい、リオ!」
魚籠を引っさげ家に帰る途中、覚えのある声に呼び止められる。
振り返れば、やはり親しくしているフバース族の男が手を振っていた。
「ヤッファさん」
「釣りの帰りか?」
「はい」
大股で歩み寄ってきた男に魚籠を僅かに傾けて中身を見せ、大量ですよと笑いかける。
ヤッファさんは満杯の魚籠に軽く目を見開き、小さく口笛を吹いた。
「やるじゃねぇか」
「今日は食いつきが良かったんですよ。……どれくらい入り用なのです?」
尋ねる私の言葉に、ヤッファさんは嬢ちゃんにはお見通しか、と笑って小脇に抱えていた手提げの袋を渡してきた。
「とりあえず、大きいのがあれば二匹ほど分けてくれ」
「了解しました」
これくらいの、と両手で大きさを示すヤッファさんに、私は快く頷く。
袋の中身は果物と野菜だろう。
大雑把な上、等価と言うにはやや多いが、お前は育ち盛りの年頃だからといつも多めにくれるのは有難い。
私は魚籠の中から銀の鱗を持つ赤身の魚を二匹取り出して予備の網袋に入れ、そのままヤッファさんに手渡した。
「釣ってすぐ絞めてあるんで、そんなに血は残ってないですよ」
外見は人間に近くても、やはり彼らと私は味覚というか好みは大分違ったりするようなのだ。
人間はこの世界でも肉や魚は血抜きをしたものを好むが、幻獣界の住人であった彼は血が入った生臭いものも好きらしい。
「構わねえよ」
ヤッファさんはニヤリと笑い、礼を言って去っていった。
それを見送った後、ちょっと袋の中身を確認する。
「わ、いっぱい」
根菜や葉野菜は勿論、果物や米、それに酒粕なんかも入っていた。
ミスミ様達用のお酒を作った時に出来る余り物とはいえ、色々と使い道があるそれを分けてくれるのは有難い。
私は袋の口を再び縛って、機嫌良く歩みを再開した。
この島の人達は良い人ばかりだ。
それは、私が召喚獣―――同類だという事もあるのだろうけれど、新参の私に随分と良くしてくれている。
この島の代表的集落である4つの集落、そのうちの風雷の郷の長であるミスミ様は嵐でドロドロになって結局着られなくなってしまった服の代わりにとお下がりを何着も分けてくれたし、アルディラさんは文明機器に慣れきった私の為にラトリクスの外れの一画を住居として開けてくれた上、家電まで用意してくれた。ユクレス村のヤッファさんはさっきのように度々不等価交換をしてくれるし、霊界集落のファリエルさん達は両親の遺骨を納める為のお墓を作ってくれた。
私は幸運だったと思う。
見知らぬ世界に突然放り出されたというのに、早々にこれだけ恵まれた環境に身を置く事が出来たのだから。
それを改めて実感し、私は機嫌よく鼻歌を歌いながら帰路を進む。
今日は気分が良い。
釣りは大漁だし、果物や野菜を沢山貰えた。
丁度帰り道の途中にはアティさんの家がある。どうせだから、この一度では到底食べきれないだろう幸せを、彼女達にもちょっとおすそわけして帰ろう。
アティさんとウィルさんは何でも好き嫌いなく食べるし、イスラさんは偏食だけれど、果物は好きだった筈。
そんな事を考えながら、一度瞬きをした。
「………………え?」
目を瞑って再び開いた時、目の前の光景が変わっていた。
森の小道が、砂埃の舞う岩場に。
そうして地面の感覚が消え、踏み出した足が空を切る。
「え? きゃ、わ!?」
いきなりの事に動転した私は、そのまま真下に落ちた。
相応の痛みを覚悟してぎゅっと目を瞑った私の耳が、ドスバキン! と奇妙な音を拾う。けれど、意外にもそれに伴うであろう痛みも衝撃も少なかった。
地面にしては妙にぐにぐにとした弾力を持つ存在が、私の臀部を受け止めた感覚。どうやら何かをクッションにしたらしい。
そっと目を開けて視線を下にやってみると、そこには見覚えのない、薄汚れたローブを羽織ったいかにも外道召喚師ですと言わんばかりに人相の悪い男が伸びていた。
人間。
少なくとも、この男の見た目はそう見える存在だ。
しかし、閉鎖的な環境である筈のこの島で人間は数えるほどの、それも見知った数人しか居ない筈で、そして亜人を含むひと通りの島民との顔合わせもとっくに済んでいる私の記憶には、こんな顔の男は居なかった。
けれども男はここに存在し、そして自分はこの男性を地面との緩衝材とした事で助かった事は明らかだ。
「い、一体何が……」
訝しむ私に、背後から声が掛けられる。
「キミ、は……?」
これまた覚えがない声だ。
ゆっくりと振り返れば、そこには黒い髪に赤い外套の、眼鏡を掛けた男の人―――と、その周辺に更に多数の人たち。倒れていたり武器を構えていたりと状態は様々だけれども、半ば当然ながら、彼らにも見覚えはない。
そして振り返った事で必然的に視界に映る周囲の光景を百八十度分ほど確認し、その違和感に気付く。
念の為に反対側の百八十度分も見回し、そうして確信を持って結論を導き出した。
島の中、屋外ならどこからでも確認出来る筈の、遺跡がある山が見つけられない。
そう、それならばきっと現れたのは向こうではなく、私の方なのだ。
こうしてその日、私は二度目の召喚を受けた。
夕飯として上る予定の魚を魚籠に突っ込みながら、そう呟く。
今日の釣果は上々だ。何しろまだ雑魚も猫魚も釣り上げていない。
油の乗った大きな赤身魚が魚籠の中で一度大きく跳ねるのをニンマリと見下ろしながら、私は次の獲物を手に入れんが為、釣り針に新しいエサを引っ掛けた。
ヒュン、と風を切る音を立てて前に飛び、ポチャンと小さな落水音を立てて沈んでいく釣り針。それを確認した私は抜けるような真っ青な空へと視線を動かした。
こういう、日々の退屈な一瞬の時間には、よくあの日の事を思い出す。
私こと原田理緒は、地球こと『名も無き世界』から召喚術と呼ばれる不可思議な魔法によって呼び出された、いわゆる『召喚獣』だ。
『獣』と付くと何とも野蛮な印象を受けるけれど、人間だろうと動物だろうと、天使や悪魔、幽霊だろうとも、召喚術によってこの世界―――リィンバウムに呼ばれた魂ある存在は、皆そう呼ばれるらしい。
私はかれこれ二年か三年ほど前、『遺跡』と呼ばれている存在によって、この『名も無き島』に召喚された。
自分の家、温かい室内に居た筈の私は唐突に真っ白な光に包まれ、気がついたら真夜中の、それも風雨の吹きすさぶ屋外に放り出されていたのだ。
呆然とする暇すら無かった。
両親が事故で死んで天涯孤独の身になってしまった私は、今後の生活の為にも家賃の高いマンションを引っ越そうと、両親の遺骨やら自分の服やら中学校の教科書やらを纏めていた最中、自分を含めカーペットの上にあったモノ全部が全部ひっくるめてこっちに呼び出されたのだ。
私に出来たのは、混乱しつつも雨が染みていく荷物を大急ぎで一処にかき集めて自分ごとカーペットを雨よけに被せ、雨が止むまで丸まる事だけだった。
翌朝、身体を冷やした為に肺炎を起こして意識が飛びかけていた所を、嵐の被害状況を調べに島を回っていたという赤毛の女性―――アティさんに発見、保護された私はラトリクスという集落に運び込まれて治療を受け、どうにか一命を取り留めて。
そうして数日後、彼女に聞かれるままに自分の身に起こった状況を説明したところ、こう返された。
―――落雷のエネルギーで、一時的に遺跡の機能が復活したのでしょうね。
何でも私が居た所、島一番の高台にある遺跡はその昔とある召喚術師達の組織によって作られた『喚起の門』と呼ばれるもので、他の世界から無差別に色々なモノを召喚してしまう機能があるらしい。この島の住人の殆ども、それによって呼び出され元の世界に還れなくなった召喚獣やその子孫なのだそうだ。
何とも迷惑な代物だが、随分前にアティさんが島の皆と協力して壊した事で、ひとまずはその機能を停止したらしい。
―――が。
嵐の夜。大雨と落雷。
雷が高い所に落ちるのも、膨大なエネルギーの塊である事も地球では有名な話。
遺跡は島の高台にあり、そうして私は、落雷のエネルギーで一瞬だけ蘇ったソレによって、この島に召喚されたらしかった。
アティさんは望むなら私を元の場所に還す事も出来るだろうと言ってくれたけれど、両親を一度に亡くした私にはもう向こうに居場所なんて無くて。
………………いや、この際だからぶっちゃけよう。
居場所自体は無くも無かったのだけれども、遺骨を抱えた状態でココに来た私には、慣れ親しんだ現代社会の利便性や淡い恋心を含めた交友関係を天秤に掛けても、支払日の迫った両親のカードとか家賃とか電気水道の使用料とか、保険の手続きや今後の学費諸々の事とか、学生の身分ではイマイチよく分からないそれらに頭を悩ませる状況に、進んで戻りたいと思えなかったのだ。
何しろこの島では貨幣制度すら無い。昔、物好きなヒトが店を開いていた頃なら多少はあったらしいのだけれど、店主が居なくなった現在では、労働力を含めた物々交換で自給自足の生活をしている。
便利ながらも色々と窮屈なニッポンの生活と、不便ながらも開放感のある生活。
私は二つを天秤に掛けて後者を選び、そうして名も無き島の新しい住人となったのだった。
「おーい、リオ!」
魚籠を引っさげ家に帰る途中、覚えのある声に呼び止められる。
振り返れば、やはり親しくしているフバース族の男が手を振っていた。
「ヤッファさん」
「釣りの帰りか?」
「はい」
大股で歩み寄ってきた男に魚籠を僅かに傾けて中身を見せ、大量ですよと笑いかける。
ヤッファさんは満杯の魚籠に軽く目を見開き、小さく口笛を吹いた。
「やるじゃねぇか」
「今日は食いつきが良かったんですよ。……どれくらい入り用なのです?」
尋ねる私の言葉に、ヤッファさんは嬢ちゃんにはお見通しか、と笑って小脇に抱えていた手提げの袋を渡してきた。
「とりあえず、大きいのがあれば二匹ほど分けてくれ」
「了解しました」
これくらいの、と両手で大きさを示すヤッファさんに、私は快く頷く。
袋の中身は果物と野菜だろう。
大雑把な上、等価と言うにはやや多いが、お前は育ち盛りの年頃だからといつも多めにくれるのは有難い。
私は魚籠の中から銀の鱗を持つ赤身の魚を二匹取り出して予備の網袋に入れ、そのままヤッファさんに手渡した。
「釣ってすぐ絞めてあるんで、そんなに血は残ってないですよ」
外見は人間に近くても、やはり彼らと私は味覚というか好みは大分違ったりするようなのだ。
人間はこの世界でも肉や魚は血抜きをしたものを好むが、幻獣界の住人であった彼は血が入った生臭いものも好きらしい。
「構わねえよ」
ヤッファさんはニヤリと笑い、礼を言って去っていった。
それを見送った後、ちょっと袋の中身を確認する。
「わ、いっぱい」
根菜や葉野菜は勿論、果物や米、それに酒粕なんかも入っていた。
ミスミ様達用のお酒を作った時に出来る余り物とはいえ、色々と使い道があるそれを分けてくれるのは有難い。
私は袋の口を再び縛って、機嫌良く歩みを再開した。
この島の人達は良い人ばかりだ。
それは、私が召喚獣―――同類だという事もあるのだろうけれど、新参の私に随分と良くしてくれている。
この島の代表的集落である4つの集落、そのうちの風雷の郷の長であるミスミ様は嵐でドロドロになって結局着られなくなってしまった服の代わりにとお下がりを何着も分けてくれたし、アルディラさんは文明機器に慣れきった私の為にラトリクスの外れの一画を住居として開けてくれた上、家電まで用意してくれた。ユクレス村のヤッファさんはさっきのように度々不等価交換をしてくれるし、霊界集落のファリエルさん達は両親の遺骨を納める為のお墓を作ってくれた。
私は幸運だったと思う。
見知らぬ世界に突然放り出されたというのに、早々にこれだけ恵まれた環境に身を置く事が出来たのだから。
それを改めて実感し、私は機嫌よく鼻歌を歌いながら帰路を進む。
今日は気分が良い。
釣りは大漁だし、果物や野菜を沢山貰えた。
丁度帰り道の途中にはアティさんの家がある。どうせだから、この一度では到底食べきれないだろう幸せを、彼女達にもちょっとおすそわけして帰ろう。
アティさんとウィルさんは何でも好き嫌いなく食べるし、イスラさんは偏食だけれど、果物は好きだった筈。
そんな事を考えながら、一度瞬きをした。
「………………え?」
目を瞑って再び開いた時、目の前の光景が変わっていた。
森の小道が、砂埃の舞う岩場に。
そうして地面の感覚が消え、踏み出した足が空を切る。
「え? きゃ、わ!?」
いきなりの事に動転した私は、そのまま真下に落ちた。
相応の痛みを覚悟してぎゅっと目を瞑った私の耳が、ドスバキン! と奇妙な音を拾う。けれど、意外にもそれに伴うであろう痛みも衝撃も少なかった。
地面にしては妙にぐにぐにとした弾力を持つ存在が、私の臀部を受け止めた感覚。どうやら何かをクッションにしたらしい。
そっと目を開けて視線を下にやってみると、そこには見覚えのない、薄汚れたローブを羽織ったいかにも外道召喚師ですと言わんばかりに人相の悪い男が伸びていた。
人間。
少なくとも、この男の見た目はそう見える存在だ。
しかし、閉鎖的な環境である筈のこの島で人間は数えるほどの、それも見知った数人しか居ない筈で、そして亜人を含むひと通りの島民との顔合わせもとっくに済んでいる私の記憶には、こんな顔の男は居なかった。
けれども男はここに存在し、そして自分はこの男性を地面との緩衝材とした事で助かった事は明らかだ。
「い、一体何が……」
訝しむ私に、背後から声が掛けられる。
「キミ、は……?」
これまた覚えがない声だ。
ゆっくりと振り返れば、そこには黒い髪に赤い外套の、眼鏡を掛けた男の人―――と、その周辺に更に多数の人たち。倒れていたり武器を構えていたりと状態は様々だけれども、半ば当然ながら、彼らにも見覚えはない。
そして振り返った事で必然的に視界に映る周囲の光景を百八十度分ほど確認し、その違和感に気付く。
念の為に反対側の百八十度分も見回し、そうして確信を持って結論を導き出した。
島の中、屋外ならどこからでも確認出来る筈の、遺跡がある山が見つけられない。
そう、それならばきっと現れたのは向こうではなく、私の方なのだ。
こうしてその日、私は二度目の召喚を受けた。
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